天然歯はおおまかに分けて象牙質・エナメル質の2つの部位で構成されています。 天然歯の色に関しても同様で、この2つの部位により構成されていると考えられます。 象牙質は天然歯の基本的な色相と彩度を、エナメル質は天然歯独特の白さと、透明・不透明感を決定付けます。また、エナメル質は白色の半透明の色をもち、基本的に歯頚部付近では薄く、切縁付近では 厚みをもちます。これが天然歯の色を見るうえで、 最低限の知識となります。
これを踏まえたうえで、その他の天然歯の色の構成要素として、天然歯が先天的にもちあわせている個性を知っておくとよいと思います。
具体的には、象牙質に存在するマメロンの色、セメント・エナメル境の色および蛍光性、エナメル質に現れるオパール効果、白帯の存在などとなり、 これらの有無や多少または濃淡などが、複雑な天然歯色を形成しているのです。